NIPT(新型出生前診断)とは?特徴や注意点、費用を解説!

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妊娠が分かって胎嚢や赤ちゃんの心拍が確認できて安心したのも束の間。週数が進むにつれて心配になるのが、胎児の先天性異常や染色体異常です。染色体異常の可能性を調べる方法として、これまで出生前診断として母体血清マーカー検査(クアトロ検査)やコンバインド検査が行われていました。加えて新しく誕生したのが、NIPT(新型出生前診断)と呼ばれるスクリーニング検査です。

本記事では、NIPTとはどのような検査か、特徴や注意点、費用を解説します。

NIPT(新型出生前診断)とは?

NIPT(Non-Invasive Prenatal genetic Testing)は「新型出生前診断」とも言い、胎児の染色体異常の可能性を調べることができるスクリーニング検査です。

検査方法はシンプルで、母体から採取した血液から胎児のDNA断片を解析することで染色体異常の可能性を調べます。母体と胎児ともにほとんど侵襲性がないため、妊娠10〜16週の妊娠初期から検査を行うことができるのが特徴です。

NIPTは従来行われていた母体血清マーカー検査(クアトロ検査)やコンバインド検査などの出生前診断よりも、精度が高く、早い段階で胎児の性別を知ることもできます。ただし、NIPTもスクリーニング検査であるため確定的な検査ではありません。診断のためには、羊水検査や絨毛検査などの確定的検査を行う必要があり、これは従来の出生前診断と同様です。

NIPT(新型出生前診断)でわかる疾患

NIPTで染色体異常の可能性がわかる疾患は以下の3つです。

・13トリソミー(パトウ症候群)
・18トリソミー(エドワーズ症候群)
・21トリソミー(ダウン症候群)

施設によっては、上記以外の染色体や胎児の性別を調べることもできます。ここでは3つの染色体異常はどのような病気かをそれぞれ解説します。

13トリソミー(パトウ症候群)

13トリソミーとは、通常2本で1対になる13番目の染色体が1本多くなり、計3本持って生まれてくる染色体異常です。出生児の5,000〜12,000人に1人の割合で起こります。

高齢出産でリスクが高まることが分かっており、約80%の出生児は生後1か月程度で死亡してしまう病気です。

13トリソミーの胎児は体格が小さい傾向があり、頭の小ささや顔面奇形、目の異常などの合併症が見られます。また、約80%に重度の先天性心血管異常が合併することが分かっています。

18トリソミー(エドワーズ症候群)

18トリソミーとは、18番目の染色体が1本多くなり、計3本持って生まれてくる染色体異常です。出生時の3,500〜8,500人に1人の割合で起こり、女児に多いことが分かっています。

自然流産になることも多く、高齢出産でそのリスクは増大します。18トリソミーの胎児は、胎動が少ない、羊水過多、胎盤矮小、単一臍動脈などの症状が見られます。出生時の大きさも小さく、産声も小さいのが特徴です。

18トリソミーで生まれてくる子どもの半数以上は、生後1週間以内に死亡し、生後1年まで生きる割合は10%未満です。

21トリソミー(ダウン症候群)

21トリソミーは「ダウン症候群」として、一般にも広く知られる病気です。21番目の染色体が1本多くなり、計3本もって生まれてくる染色体異常で、新生児の600人に1人の割合で起こります。

21トリソミーは染色体のなかでも最も小さいサイズのため影響が少なく、13トリソミーや18トリソミーに比べると出生率も高く寿命も長い傾向にあります。

21トリソミーは全身で合併症が起こりやすく循環器や消火器、代謝・内分泌、目、認知機能などさまざまな部位に症状が現れます。見た目の特徴には、低身長や肥満、鼻や耳の位置が低いなどがあります。

NIPT(新型出生前診断)の検査精度

NIPTは比較的精度の高い検査として知られています。ここでの精度とは「感度」「特異度」です。

感度とは、検査で調べる病気が陽性となる確率を言います。NIPTの感度は約99%と高く、染色体異常の可能性を見逃す確率はとても低いのが特徴です。

特異度とは、検査で調べる病気を持っていない人が陰性になる確率を言います。特異度が高くなれば、本来は陰性なのに陽性だと誤った結果が出る「偽陽性」は起こりにくくなります。NIPTの特異度は約99%と、こちらも精度が高いのが特徴です。

このようにNIPTは精度の高い検査であるため、多くの医療機関でも取り入れられるようになっています。

NIPT(新型出生前診断)の特徴

NIPTは以下のような特徴があります。

1. 従来の非確定的検査に比べて精度が高い
2.流産・死産のリスクが少ない
3.妊娠初期から検査可能

それぞれを詳しく解説します。

1.従来の非確定的検査に比べ精度が高い

前述の通りNIPTは従来の非確定的検査に比べ精度が高いのが特徴です。母体血清マーカー検査(クアトロ検査)やコンバインド検査の感度と比較しても、検査精度の高さがうかがえます。

検査名検査方法感度特異度
NIPT採血(母体)99%99%
母体血清マーカー検査(クアトロ検査)採血(母体)80%
コンバインド検査採血、エコー83%

※染色体の種類により感度・特異度の数値に若干の変動があります。

参考:あいち小児保健医療総合センター「出生前診断を検討しているご夫婦へ(PDF)

コンバインド検査は、採血だけでなく超音波検査(エコー)も行い胎児のNTや形態異常の可能性を確認するため、母体血清マーカー検査よりも感度は若干高くなっています。しかし、いずれもNIPTほどの精度はありません。

ただし、NIPTのみの結果で診断することはできず、いずれの場合も確定的検査である羊水検査や絨毛検査を受ける必要があるため注意しましょう。

2.流産・死産のリスクがない

羊水検査や絨毛検査は、染色体異常の有無を診断することができますが、羊水検査では1/300、絨毛検査では1/100の確率で流産や死産のリスクがあります。

これは、羊水検査も絨毛検査もお腹に直接針を刺して羊水や絨毛を採取するためです。お腹のなかには当然胎児がいるため、胎児の様子を確認しながらエコーを使って検査を行いますが出血や破水のリスクがあり、流産や死産の可能性が少なからずあります。

一方で、NIPTはお母さんの腕から採取した血液に含まれる胎児のDNAを検査するため、流産や死産のリスクはありません。NIPTの結果陰性の場合には、確定的検査は必要ないため比較的安全性の高い検査と言えるでしょう。

3.妊娠初期から検査可能

NIPTもほかの非確定的検査と同様に妊娠初期から検査可能です。NIPTは妊娠10〜16週から、施設によっては妊娠9週から検査を受けられます。

対して、母体血清マーカー検査(クアトロ検査)は妊娠15〜16週ごろ、コンバインド検査は約11〜13週ごろです。どちらも妊娠初期に受けられる検査ではあるものの、NIPTの方がより早く検査を受けられます。

また、検査精度もNIPTの方が高いことから従来の出生前診断より、NIPTを受ける人が増加しています。ただし、NIPTを行っている医療機関でも認定施設と認可外施設があり、認定施設の場合は年齢制限などの一定の条件を満たす必要があります。また、認可外施設だからと言って、検査精度が劣るわけではありません。

認定施設、認可外施設どちらもメリット・デメリットがあるため自分に合う施設を選ぶことが大切です。

NIPT(新型出生前診断)で陽性と言われたら?

NIPTの結果、陽性が分かったとき不安になってしまうでしょう。しかし、NIPTはあくまでもスクリーニング検査であるため、この結果だけでは染色体異常の可能性があると決まったわけではありません。

NIPTでも少なからず偽陽性を含むため、確定的検査の結果、染色体異常が否定される可能性もあります。そのため、陽性と言われたら必ず羊水検査や絨毛検査の確定的検査を受けましょう。

NIPTの結果が陽性の場合、多くは羊水検査を受けることになります。絨毛検査も同じように確定的検査に用いられますが、手技が難しいため実施可能な施設や医師が限られています。

羊水検査は所要時間が1時間程度の検査ですが、結果までに3週間前後かかります。そのため、16〜17週で検査を受けるのが一般的です。NIPTで陽性が出た場合は、確定的検査について医師の指示と説明を受けましょう。

NIPT(新型出生前診断)の注意点

NIPTはほかのスクリーニング検査と同様に、染色体異常の有無を調べるものではなく、あくまでもその可能性を指摘するための検査です。そのため事前に、NIPTについて理解しておきましょう。不明点があれば医師や遺伝カウンセラーに相談して検査の内容や目的、検査結果の受け止め方を理解するのも1つの方法です。

またNIPTは認可外の施設ではさまざまな検査プランが用意されている場合があります。基本となっている3つの染色体異常のほかにも、常染色体異常や性染色体の異常などを調べることもできる場合があります。NIPTでは胎児の性別も分かるため、各施設のプランを確認しましょう。

NIPT(新型出生前診断)でかかる費用

NIPTでかかる費用相場の目安は自費診療で約9〜20万円程度です。ただし、認定施設、認可外施設で若干の費用差があります。基本的な3つの染色体異常の検査に加え、オプションとしてほかの染色体に対しても異常の可能性がないかを調べる場合は、追加費用がかかるため各施設のサイトで費用を確認しましょう。

また、検査費用の中に初診・再診料が含まれているか、カウンセリングの費用が含まれているかも確認することが大切です。

まとめ

NIPTは施設によっては妊娠9週から受けられる、染色体異常の可能性を調べる検査です。従来の非確定的検査に比べ、検査精度は高く、流産や死産のリスクがないため検討する人が増えています。

ただし、NIPTの結果だけで疾患の有無を診断することはできません。陽性の場合は羊水検査などの確定的検査を必ず受けましょう。

今回紹介した内容を参考に、NIPTを検討してみてはいかがでしょうか。

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