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パーキンソン病に対するグルタチオン療法
■ はじめに
米 国ではパーキンソン病の機能改善と病状進行の遅延を目的とするグルタチオン療法は多くの施設で行われていますが、日本ではほとんど知られていません。本治 療は15~30分の静注または点滴です。点滴終了後からで歩行、振戦、バランスなどが明らかに改善する事例もあり、通常は数回の治療で効果を体感します。
この治療の最初の報告は1996年で、パーキンソン病患者9人にグルタチオン600mgを1日2回、30日間投与したところ、全例で効果が認められ、運動機能の42%が改善しました。また、その効果は3ヶ月持続したと報告されています。
南 フロリダ大学におけるグルタチオン療法のパーキンソン病に対する効果は80-90%で、グルタチオンがフリーラジカル・スカベンジャーとして働き、ドーパ ミン受容体の感受性を高めるからであろうと考えています。また、同時にセロトニン受容体の感受性を高めることでパーキンソンのうつ症状の改善も見られま す。
東京のスピックサロン・メディカルクリニックでは10年以上のパーキンソン病の病歴がある74歳 の男性にグルタチオン療法をした結果、嚥下障害、歩行障害、振戦の症状は治療開始後3ヶ月後には劇的に改善しました。また5年間続いていた振戦が点滴直後 に消失した事例もあります。北九州市のクリニックからは歩行障害で車椅子の生活をしていた70歳女性が治療開始3ヶ月後に自力歩行を開始したと報告があり ました。
■ 適応
早期~進行したパーキンソン病
■ グルタチオン療法の実際
初回は800mgから開始し400mgずつ増量して1600mgで維持します。
病状によってはさらに増量することがあります。
当初は週2~3回の投与をし、効果が安定してくると週1~2回になります。
間隔は5~10日と患者により個人差があります。
■ 料金について(料金はすべて税込です)
週2~3回 グルタチオン 800mg 3,300円
1200mg 4,400円
1600mg 5,500円
※ 初回のみ保険外の初診料3,465円が必要です。
■ 副作用
稀に頭痛と吐気・嘔吐を訴えることがあります。一過性であり、投与を中止することで速やかに改善します。
点滴療法研究会 マスターズクラブ会員 佐井雄一
佐井泌尿器科・皮フ科クリニック 052-847-5110
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