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010)CBDオイル

CBD(カンナビノイド)オイルについて

カンナビノイド(CBD)は一年草の麻に含まれる成分で104種類の生理活性物質の総称です。
最近の研究で人の体内には内因性カンナビノイド・システムという身体の体調を調節する機能があることが分かってきました。つまり人体内にもカンナビノイドがあり、これが足らなくなったりすると病気や体調不良の原因になり、癌,認知症、糖尿病(2型)、心臓病、自己免疫疾患や、統合失調症、自閉症スペクトラムなどの精神疾患に影響している可能性があると言われています。
たとえば、同じような内因性物質にはビタミンやホルモンなどがあり、これが減少し病気になった場合、合成した薬として補うことで治療に使われています。
これと同じようなシステムが内因性カンナビノイド・システムです。
 
麻の歴史
麻は5世紀の中医学の書にまふん(麻蕡)として五臓(肝・心・脾・腎・肺)を調節し、寒気を取る薬剤として記載されています。現在でも麻子(まし)という生薬成分を配合した漢方薬が便秘の薬として使用されています。
一方、麻の負の歴史は大麻です。麻は花と葉に精神作用がある成分(THC)が含まれ、これを麻薬取締法で大麻として規制しているため、麻に悪いイメージを持っている方が多いのも事実です。
 
医療としての麻
すでに欧米では多発性硬化症とてんかんの治療にカンナビノイドを使用した薬が利用されていて、日本でも臨床試験の開始が待たれています。
 
植物エキスとしての麻
麻の種子と茎には麻薬成分のTHCは含まれず、生理活性物質であるカンナビノイドが104種類含まれ、その効果は下記の様になっています。
体内にある複数の臓器に効果を与える
→内因性カンナビノイド・システムの働きを助ける
活性成分の皮膚吸収を改善する
→麻に含まれるテルペノイドがカンナビノイドの皮膚への吸収を高める
細菌の防御機能に打ち勝つ
→抗菌剤が効かなくなる耐性菌の出現の予防
 
1988年にセントルイス大学のアリン・ハウレットはカンナビノイドがどこに作用するかを調べ、これが後にカンナビノイド受容体(CB1)と判明し,1993年にはケンブリッジ大学のショーン・マンローがCB1に類似したCB2を発見しています。

 
カンナビノイド受容体の分布
CB1受容体は主に脳、脊髄、中枢神経系の神経細胞に、中でも小脳、大脳基底核、および海馬に非常に豊富で、記憶処理、運動調節、疼痛感覚、気分、および睡眠に役割を果たすことがわかっています。またCB1受容体は脳以外にも精巣、輸精管、子宮、肺、小腸、血管平滑筋細胞など様々な臓器と細胞に存在します。
CB2受容体は主に免疫系の細胞とその関連構造に見られ、活性化されると炎症と戦う反応を刺激し、痛みを軽減し、組織への損傷を最小限に抑えることができます。
図にカンナビノイド受容体の分布を示します。
 
 
カンナビノイドオイルが効果を発揮する病気や症状
カンナビノイドは内因性カンナビノイド・システムの受容体と結合することにより、私たちの感覚や考え方を調和および調整するのに役立ちます。この作用を用いて海外では癌、不眠症、さまざまな疼痛、嘔吐、関節炎、てんかん、糖尿病、虚血性心疾患、認知症、自閉症スペクトラム、うつ病、不安障害、統合失調症、炎症性腸疾患、多発性硬化症などの自己免疫疾患といった比較的ポピュラーなものから、原因不明の希少疾患まで多くの病気にカンナビノイドオイルの利用が試みられています。
 
まとめ
カンナビノイドは生体が生きていく上で必要な物質であり、内因性カンナビノイド・システムを介してその恒常性を保つのに重要な役割を果たしています。カンナビノイドを摂取することで変調を来した内因性カンナビノイド・システムを正常に戻し、種々の疾病や体調不良を改善できる可能性があります。
カンナビノイドオイルを摂取する事は他の治療では改善しない難治な病状を改善できる可能性があります。
 
注)
現在国内で使用できるカンナビノイドオイル(CBDオイル)には麻薬成分であるTHCは含まれていませんので、ご心配は不要です。
また当院のCBDソフトカプセルはTHCを含まない麻の茎のみから抽出しています。
 
 
 
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参考文献
佐藤均監修:カンナビノイドの科学. 日本カンナビノイド学会編.東京,築地出版,2015
 

投稿者 佐井泌尿器科・皮フ科クリニック (11:27)