夜間頻尿とは?
夜間頻尿は、睡眠中に1回以上トイレに行く必要がある状態を指します。日本排尿機能学会によると、40歳以上の約4,500万人がこの症状に悩んでおり、年齢とともに増加します。夜間頻尿は不眠の原因となり、昼間の眠気や頭痛、集中力の低下などを引き起こすことがあります。
高齢者におけるリスク
70歳以上を対象とした国内研究(平均年齢76歳)では、夜間排尿が2回以上ある高齢者は、1回以下の高齢者と比べて以下のリスクが高いと報告されています:
骨折リスク:全体で2.01倍、転倒による骨折は2.2倍。
死亡率:1.98倍。
さらに、夜間頻尿は心血管疾患やうつ病とも関連があることが知られています。これらの影響から、適切な治療が重要視されています。
原因と治療の方向性
夜間頻尿の原因は単一ではなく、多尿や膀胱の蓄尿障害、睡眠障害などが複雑に絡み合っています。そのため、個別に原因を特定し、それに応じた治療が必要です。また、原因により診療を行う専門医も異なります。
睡眠時無呼吸症候群(OSAS)との関係
特に注目されているのが、夜間頻尿と閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の関係です。ある研究(平均年齢49.7歳、平均BMI 37.7のOSAS患者138名を対象)によると、47.8%の患者が夜間2回以上トイレに起きると報告されています。高齢者に多い夜間頻尿ですが、比較的若くBMIが高い場合は、OSASが原因の可能性も考慮すべきです。