院長ブログ
日本美容抗加齢医学会講演 男性更年期障害(LOH症候群)について 名古屋 佐井泌尿器科・皮フ科クリニック院長体験記
女性は閉経期になると女性ホルモンの減少に伴い、
いろいろな症状が出る更年期障害は広く知られていますが
男性にも同じように男性ホルモンが加齢と共に減少し、
女性と同じようにいろいろな症状が出現する男性更年期障害という病気があります。
最近この男性更年期障害をLate Onset Hypogonadism:加齢男性性腺機能低下症候群(以下「LOH 症候群」と表示))と名付け、診断・治療のガイドラインが日本泌尿器科学会で作成されました。
当院でもLOH症候群に対しアンドロゲン補充療法(androgen replacement therapy:ART)を行っていますが、主に注射薬で行ってきました。
皮膚に塗って男性ホルモンを補充する薬剤を日本美容抗加齢医学会の講演を知り
当院でも導入することにしました。
当院の治療の流れ
※ LOH症候群の診断 まず下記の症状がないかを問診票でお訊きします。
総合的に調子が思わしくない。(健康状態、本人自身の感じ方)
関節や筋肉の痛み。(腰痛、関節痛、手足の痛み、背中の痛み)
ひどい発汗(思いがけず突然汗が出る。緊張や運動と関係なくほてる)
睡眠の悩み(寝つきが悪い、ぐっすり眠れない、寝起きが早く疲れがとれない、浅い睡眠、眠れない)
よく眠くなる、しばしば疲れを感じる
いらいらする(当り散らす、些細なことにすぐ腹を立てる、不機嫌になる)
神経質になった(緊張しやすい、精神的に落ち着かない、じっとしていられない)
不安感(パニック状態になる)
身体の疲労や行動力の減退 (全般的な行動力の低下、活動の減少、余暇活動に興味がない、達成感がない、自分をせかさないと何もしない)
筋力の低下
憂うつな気分(落ち込み、悲しみ、涙もろい、意欲がわかない、気分のむら、無用感)
※ 血液検査で下記の検査の採血をします。
フリーテストステロン 男性ホルモンであるテストステロンの量を測定します。
肝機能検査 男性ホルモン投与により肝障害や多血症の副作用を生じる場合があるため定期的に検査をします。
前立腺得意抗原(PSA) 男性ホルモン投与により潜在している前立腺がんを進行させる可能性があるため、 前立腺癌がないかを調べます。
※ 治療
エナルモンデポー(男性ホルモンの注射薬) 2週間に1回筋肉注射をします。
フリーテストステロンを測定して、改善していることを確認後維持療法に移ります。
グローミン
テストステロン外用薬で、注射にて男性ホルモンを投与し症状が改善した方は
維持療法として外用療法も選択できます。 塗るだけですので、痛みなく自宅で治療が可能です。
しかしこれは保険適応にはなりませんので
グローミン10g(約2週間分) 4,200円
別途、初診料3150円、再診料1050円が必要になります。
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