院長ブログ
インティマレーザーとCO2レーザー
2種の低侵襲レーザー技術の比較
Er:YAG と CO2
Er:YAG(エルビウムヤグ)レーザーは強く水に吸収されるレーザーで、
蒸散が主で、熱変性が少ないのが特徴でした。
CO2レーザーは蒸散もしますが熱変性も強く生じるので、痤瘡瘢痕を強力に治療できます。
ただ強力な分、浸出液や痂皮形成を生じダウンタイムが長いのが欠点です。
インティマレーザーの場合パルス幅を250msと長くすることで、
蒸散することなく熱変性だけで膣粘膜のリモデリングをはかります。
CO2レーザーを膣壁に照射すると蒸散と熱変性で膣粘膜のリモデリングが可能です。
ただ膣粘膜を治療するには蒸散はあまり必要ないので、
蒸散させるCO2レーザーはいくらフラクショナルに照射しても
膣組織へのダメージが強すぎ、副作用のリスクが高くなるので
どうしても弱めに照射する必要があります。
インティマ(Er:YAG)レーザー CO2レーザー
このためインティマレーザーとCO2レーザーの現時点の
治療適応を比較するとずいぶん適応の範囲が違います。
インティマレーザー | CO2レーザー |
膣の引き締め | 膣萎縮の治療 |
腹圧性尿失禁の治療 | |
骨盤臓器脱の治療 | |
膣萎縮の治療 | |
外陰部の若返り、美白 |
適応の違いは前述した使用するレーザーの特性がまず第一と思います。
膣壁が薄い場合、低出力でもある程度効果を出すことができますが、
厚い場合はある程度強い出力が必要になります。
CO2レーザーの場合、強く照射すると蒸散部分が深くなり、合併症のリスクが高くなります。
このため現在のところ適応は膣萎縮のみとなっています。
下の写真は左がインティマレーザー、右がCO2レーザーを感熱紙に照射したものです。
実際の照射条件とは異なりますが、CO2レーザーの方は穴が空いているのが分かります。
これに対しインティマレーザーの方には穴は空いてません。
このように蒸散をせず熱変性だけで引き締めとコラーゲン合成を促すインティマレーザーは安全性が高く、発売から3年を経過し、世界で10000例以上の治療データが蓄積され、有効性と安全性が確認できています。
さらにインティマレーザーが口腔内や結膜に照射できることからも、安全性が高いことが分かります。
このようにインティマレーザーは口腔粘膜にも照射できます。
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