乳がん治療による尿路症状・膣萎縮にレーザーや超音波治療
昨日7月28日午後から休診をして,福井で開かれている日本骨盤底医学会に来ています。
この学会は主に泌尿器科と産婦人科など、尿路、生殖器に関する幅広い分野を取り扱う医療従事者の学会です。
今回の発表の中で興味を引く演題がありました。
閉経前後は女性ホルモンの低下に伴い種々の症状が出て更年期を言われています。
更年期のよく知られている症状は
ホットフラッシュ(体のほてり)、大量の発汗,精神症状は良く知られていますが、
膣や下部尿路症状も日常生活に大きく支障を来す原因になります。
また乳がん患者はホルモン治療や化学療法によって閉経前より女性ホルモンが低下するため
これらの更年期症状で生活の質(QOL)が大きく低下していると思われます。
大阪の二宮典子先生が乳がん治療女性79名における膣・下部尿路症状の調査を行いそのアンケート結果を発表されました。
これに対し
日常的に膣症状を感じていない患者は45名で、性生活のある13名のうち9名で性交時の不快症状を認めたそうです。
また下部尿路症状を有している患者は61名、
下部尿路症状を有していない患者のうち14名は膣症状を認めていました。
このように乳がん治療女性の多くの方が比較的若い時期から女性ホルモン低下に伴う症状に悩まされている様です。
更年期であれば治療に女性ホルモンの補充を行えますが、乳がんの場合はこれを行えないことが多いため
当院ではUタイトニングなどのレーザー治療やヴィーナス・ハイフのような超音波治療を行っています。
これらの治療を乳がん治療には影響を与えないため安心して行うことができます。
投稿者 PermaLink
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